さあ、予防医療!
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全国の健康増進活動を発信「社会にひろげる予防医療!」

自治体での活動事例

企業・健保組合での活動事例

全国の自治体でおこなわれている健康増進活動の取り組みを紹介しています。
ぜひとも、皆さまの自治体での活動の参考にしてください。記事は都道府県やキーワードでの検索が可能です。

沖縄県八重山郡 竹富町立竹富診療所

島民の健康意識改革に挑む!
離島診療における予防医療の重要性

運動習慣の定着と正しい知識の普及を軸に、さまざまな取り組みを展開

ぱいぬ島健康プラン21 in 竹富島では、「体を動かす健康づくり」と「心と頭の健康づくり」の2つのコンセプトを軸に、さまざまな取り組みを実施しています。健康イベントは推進部会でアイデアを出し合い、公民館や診療所、老人会、婦人会、青年会など構成メンバーで役割を分担して運営しています。

JOYBEAT開催時の様子

竹富島は観光業の島で気候も暑いせいか、ちょっとした距離でも車で移動される方が多いです。そのため、まずは運動する習慣を身につけてもらえるよう、歩け歩け運動とJOYBEATを企画しました。歩け歩け運動では、毎週火曜日に竹富小中学校のグラウンドでウォーキング会を実施していますが、今では火曜日にこだわらず、自分の好きなタイミングで、お気に入りのコースを歩く人も増えました。運動習慣の定例化という当初の目標は達成できたのではないかと思っています。また、歩け歩け運動を発展させる形で、ゴミ拾いをしながら島を歩く清掃活動も実施。公民館が呼びかけ、基本的には全島民参加で行われています。

島内のたばこ販売を全廃!喫煙者約35%減少

禁煙に関しては、喫煙者に対して禁煙外来に通うよう積極的に声をかけると同時に、竹富小中学校で喫煙防止教室を開いて、子どもたちから親御さんに禁煙を勧めてもらっています。さらに、島内のたばこ販売を全廃、竹富島ではたばこが手に入らない環境をつくりました。まずたばこの自動販売機をすべて撤去したのですが、観光客が捨てたたばこの吸い殻が島の美観を損なうため、以前から撤去の話は出ていたそうで、意外とスムーズに実現できました。
ただ、店舗でのたばこ販売中止には反発がありましたね。島内でたばこを販売しているのは2店舗で、1店舗はすぐに同意が得られたものの、もう1店舗はお店のご主人が喫煙者だったのです。ですが、このご主人がもともと診療所に通院されていたこともあり、禁煙外来の受診をお勧めして無事禁煙に成功。「せっかく禁煙したのに手元にあるとまた吸いたくなるから」とおっしゃって、自分から店舗販売を中止されました。これをきっかけに禁煙した方も多く、結果的に島内喫煙者は約35%減少しました。

島ぐるみの取り組みを継続して、日本の予防医療をけん引する存在に!

さまざまな取り組みの結果、島民の健康意識は向上し、生活習慣は改善してきていると感じています。実際に、竹富町の特定健診受診率、特定保健指導実施率ともに、同規模町村を大きく上回っており(平成25年度)、私が着任する前年の平成26年度には6件あった脳心血管系イベントによる救急搬送も、27年度は7件、28年度が2件、29年度は1件、30年度はゼロ(7月31日現在)と減少傾向です。竹富島で脳心血管系イベントを発症した場合は石垣島へ救急搬送されることになりますが、石垣島の医療施設には脳血管外科が少なく、結局石垣島から沖縄本島へ再搬送されることになってしまうため、それだけ時間がかかってしまいます。医療資源が限られた離島だからこそ、予防医療の重要性は大きいと思っています。

竹富町の特定健診受診率と、特定保健指導実施率 (平成25 年度)(提供:竹富診療所)

今後も、「体を動かす健康づくり」と「心と頭の健康づくり」の両輪で健康づくりを継続していきますが、内容はどんどんブラッシュアップしていきたいと考えています。例えば、JOYBEATは診療所に設置し常時島民に開放していましたが、今年度からは毎月第3木曜日を「JOYBEATの日」に設定し、エクササイズはもちろんコミュニケーションの場としての機能も高めていきたいと思っています。また、昨年度実施していたヘルスメイト(食生活改善推進員)養成講座が今年2月に終了、そのヘルスメイトが講師を務める生活習慣病予防を目的とした料理教室を7月に実施しました。これまで料理教室は町役場から管理栄養士を招いていたため年2回の実施にとどまっていましたが、今後は島のヘルスメイトを中心に糖尿病コースや高血圧コースなど疾患別の料理教室を定期的に開催していく予定です。

診療所にある自動分割分包機。島民と竹富島を訪れる観光客からの寄付金で購入

診療所としても生活習慣病の管理に、より一層力を入れていきたいと思っています。平成27年に自動分割分包機を導入し、3剤以上のお薬を処方している患者さんに、年齢・疾患に関係なく全員一包化してお薬を渡したところ、内服アドヒアランスの向上につながりました。
最近では血管年齢測定器や内臓脂肪計、エコー、モニター付き除細動器も新たに導入し、私が着任した当初に比べれば医療機器も少しずつ増えてきました。竹富島の医療がいい方向に進んでいるなと感じています。

島民一人ひとりが自分の健康を守ることは、島を守ることでもあります。島を愛する人たちがいつまでも住み慣れた竹富島で過ごせるよう、これからも公民館、町役場などの行政機関と連携して予防医療活動を盛り上げていきたいと思っています。いつか、竹富島が日本の予防医療をリードする存在になれたらうれしいですね。

研修医の寺内貴廣先生にも
お話をお聞きしました!

研修医の寺内貴廣先生

竹富診療所では研修医・医学生を積極的に受け入れているよ。6月から1カ月間の予定で研修に来ていたのは、岩手医科大学病院の寺内貴廣先生。
石橋先生の講演を聞いて地域医療に興味を持ち、竹富島にやってきたんだって。「大学病院では診療科が細かく分かれており診る疾患が限られますが、診療所はいろいろな病気の患者さんが受診されるのでとても勉強になります」と話してくれました。それから、診療所で診察するだけでなく一人暮らしのお年寄りのご自宅を訪問して、きちんとお薬が飲めているかどうか確認しているんだ。「毎日患者さんとお話しすることで、日々の体調の変化がわかるんです。患者さんと向き合う姿勢を学ぶことができたのは大きな収穫ですね」という寺内先生。総合診療医を目指して頑張っているよ。

竹富島はこんなところ

石垣島から高速船で約10分の沖合に浮かぶ竹富島は、周囲約9キロの小さな島。赤瓦屋根の民家に真っ白なサンゴ砂の道、ゆっくりと集落を散策する水牛車など、昔ながらの沖縄の原風景が残されているよ。国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されているんだって。
海岸では星や太陽の形をした星砂が見られて、白い砂浜とコバルトブルーの海がきれいだよ。

企業・健保組合での活動事例