さあ、予防医療!
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全国の健康増進活動を発信「社会にひろげる予防医療!」

自治体での活動事例

企業・健保組合での活動事例

全国の自治体でおこなわれている健康増進活動の取り組みを紹介しています。
ぜひとも、皆さまの自治体での活動の参考にしてください。記事は都道府県やキーワードでの検索が可能です。

広島県呉市

子どもから大人まで幅広い世代への減塩啓発! 減塩意識の高い街づくりを目指して

塩水試飲で高校生・大学生の意識を刺激! 即席食品の塩分量を印象づける

「カラダよろこぶ! 減塩プログラム」では、平成27年度から市内の高校生や大学生を対象とした減塩教室も始めています。まずは高校、その翌年度には大学、それぞれに市から依頼し、開催しました。

高校では、減塩教室の一環として味覚体験を盛り込み、即席カップめんと同じ濃度の塩水を作り、生徒に試飲してもらい、インスタント食品がいかに多くの塩分を含むか舌で味わってもらいました。単なる塩水は、インスタント食品と違い、うま味成分が含まれないので、とても塩辛く感じられます。生徒たちは、「すごくしょっぱい」「カップめんのスープなら飲み干しちゃうけど塩水は無理」と衝撃を受けていました。その場では一部の生徒のみの試飲でしたが、後日の家庭科の授業で全員が試飲する機会を設けるなど、学校側のフォローアップも得られ、高校生の減塩への意識を高めるきっかけになったと感じています。大学では、一人暮らしや寮生活をしている学生もいるため、外食や市販の弁当を食べるときの塩分を摂り過ぎないコツも紹介するなど、生活スタイルに合わせた情報を盛り込みました。

子ども向けのリーフレットはイラストたっぷりでわかりやすく!
関係課と連携し教育現場の声を反映

現場の声も反映した子ども向けリーフレット(提供:呉市)

現場の声も反映した子ども向け
リーフレット(提供:呉市)

市が開催する減塩教室への参加者の年齢層が高いこともあり、特に小中学生の保護者世代への減塩に対する意識づけが不足していると感じていました。そこで、事業の3つ目の柱である「減塩でおいしい!食育」では、児童への減塩に関する食育を行うことで“子どもから保護者へ”のルートで保護者にも情報が伝わることを期待し、中学生以下の子どもに対するアプローチを進めました。幼稚園や保育所を担当する子育て施設課、小中学校を担当する学校施設課、学校教育課、学校安全課に健康増進課が加わった5つの課で「減塩連絡会」を実施し、幼稚園と保育所の年中児と年長児、生活習慣病について授業で学ぶ小学6年生と中学2年生向けにリーフレットを作成しました。連携した各課とは、以前から密接なやりとりがあったわけではありませんが、事業の推進には人と人とのつながりが不可欠だと考え、まずは関係課に出向いてこちらの意向を伝えるなど、信頼関係を築けるよう努めました。

ソースの代わりにレモンを使って適塩給食(提供:呉市)

ソースの代わりにレモンを使って適塩給食
(提供:呉市)

リーフレットは、各課がそれぞれに保育所や学校など保育・教育現場の意見や要望、アイデアを吸い上げ、イラストを使って子どもが視覚的に理解しやすいように工夫しました。「減塩いいね! キャンペーン」で啓発用ちらしを全世帯に配布した経験から学んだように、配布するだけでは減塩に対する意識を高めることが難しいため、校長会などで時間をとっていただき、授業のなかでリーフレットを使って減塩について理解してもらいたいとお願いしました。最初は校長先生方も「なぜ子どもに減塩の情報を?」とあまり関心を持たれていない様子でしたが、翌年度以降も改訂したリーフレットを持参して繰り返し活用をお願いするうちに、減塩に対する市の取り組みに理解を示していただけるようになりました。

小学校でのリーフレットを使った減塩に関する授業のあと、児童からは「味噌汁を具だくさんにして汁を少なくすると減塩になると聞いたので家でもやってみた」「家族にも減塩について教えてみんなで心がけた」などの感想が寄せられました。
また、中学校の家庭科でも、栄養バランスや塩分に考慮した献立を考える授業を取り入れるなど、減塩への意識の高まりと、児童・生徒から保護者への情報伝達の効果を実感しました。

市内で共同献立を実施している、小学校の栄養士による定例会議にも参加し、市の取り組みについて説明を行った結果、小学校給食の塩分量に配慮してくださり、平成23年度には給食1食当たりの食塩量は3.14gでしたが、事業開始の翌々年、平成27年度には2.45gまでに減り、文部科学省の基準値である2.5g未満の「適塩給食」を実現することができました。ソースの代わりに市特産のレモンを使うなどの工夫も取り入れ、児童にとっては毎日の給食が適切な塩分量の味覚体験となっています。

飲食店とも連携し、家庭でも外食でも「減塩生活」実現へ

呉市保健所健康増進課の小山有子さん

事業5年度目に当たる平成29年度は、減塩教室や離乳食教室の参加者などにアンケート調査を実施し、これまでの活動の効果や市の減塩への取り組みの認知度などを分析していく予定です。また、これまでの役所内の連携に加えて、今後強化していきたいのは民間企業との連携です。平成24年度に開催された「減塩サミット in 呉」を主催したのは「こだわりのヘルシーグルメダイエットレストラン in呉 & in広島」というプロジェクトで、呉市内の20以上の飲食店が参加しています。それらの飲食店では、1食分の塩分を2~3gに抑え、さらに低カロリーのメニューを提供しているため、気軽に外食を楽しみつつ、塩分を控えることができるのです。行政としてはこれまで、市民の減塩への意識を高めることに注力してきましたが、今後は減塩生活を進めやすい食環境を整えることが次のステップと考えていますので、こうした取り組みにも積極的にかかわっていけるよう民間企業との連携を深め、「減塩の街」の実現を目指していきたいと考えています。

広島県呉市はこんなまち

広島県の南西部に位置する呉市は、瀬戸内海に面した港町だよ。かつては戦艦「大和」を造った東洋一の軍港として栄えていて、入船山記念館に復元した旧呉鎮守府司令長官官舎などの文化遺産は「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~」として日本遺産に指定されたんだ。むき身牡蠣生産量は日本一だし、いわしの稚魚を加工したちりめんも有名だよ。市のPRキャラクター呉氏はみんなから大人気!明治海軍や昭和海軍のレシピを復刻した「海軍グルメ」も食べられるよ。

  • 入船山記念館入船山記念館 軍港と鎮守府が置かれた呉市には、日本の近代化の歴史がわかる文化遺産がたくさんあるよ。入船山記念館に復元された旧呉鎮守府司令長官官舎は、日本遺産と国の重要文化財にも指定されているんだ。
  • 呉氏呉氏 呉市をPRするために生まれたキャラクター・呉氏は、顔が「呉」の文字で名前も地名と同じ「くれし」だよ。頭の形は波を表現しているんだ。ダンスが得意で、語尾に「クレ」をつけて話すのが癖だよ。
企業・健保組合での活動事例