さあ、予防医療!
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全国の健康増進活動を発信「社会にひろげる予防医療!」

自治体での活動事例

企業・健保組合での活動事例

全国の自治体でおこなわれている健康増進活動の取り組みを紹介しています。
ぜひとも、皆さまの自治体での活動の参考にしてください。記事は都道府県やキーワードでの検索が可能です。

  • 減塩対策
  • 官民連携

下呂市

子どもからお年寄りまで!
学校や企業、小売店などを巻き込み、「下呂・減塩・元気大作戦」で健康寿命延伸をめざす!!

下呂市役所(提供:下呂市)

下呂市役所(提供:下呂市)

下呂市では、国民健康保険加入者の脳血管疾患で治療した患者が岐阜県内でワースト1位(2013~2015年度)であったり、3歳児の83.4%が基準値よりも多い塩分を摂取していたりすることに衝撃を受け、官民一体となり「下呂・減塩・元気大作戦」を実施しました。その取り組みが評価され、2019年に「第8回健康寿命をのばそう!アワード(厚生労働省・スポーツ庁主催)」の厚生労働大臣最優秀賞を受賞しました。今回は、下呂市役所健康福祉部健康医療課課長の森本千恵さんと同課保健師の今井幸子さん(2020年3月取材当時)に、「下呂・減塩・元気大作戦」を展開した経緯や取り組みについてお話をうかがいました。

脳血管疾患、高血圧、腎機能低下の市民が多く、子どもの塩分摂取が多いことが判明!
多業種からなる「減塩推進委員会」を中心に一次予防を強化!!

2008年度に特定健診、特定保健指導が開始され、国民健康保険組合に加入されている方の健康診断結果や医療費などが他の自治体と比べやすくなりました。
下呂市の医療費や健診結果を分析したところ、高血圧がⅡ度以上(収縮期血圧が160mmHg以上もしくは拡張期血圧が100mmHg以上)の人、脳血管疾患や高血圧で受診をしている人のeGFR(推算糸球体濾過量)が低い、すなわち腎機能が低下している人が多いことがわかりました。
また、県民栄養調査の結果において、下呂市を含む飛騨圏域の平均の塩分摂取量は12.7g/日(2011年)と、国民栄養調査結果でみた全国ワースト1位の岩手県の平均11.9g/日よりも高く、塩分摂取量が多い地域であるという課題もわかりました。
飛騨では保存のきく塩蔵物をよく食する食習慣があり、大人の高血圧の人も多いという点から、子どもの状況を把握する必要があると考え、まずは、3歳児健診で尿中塩分測定を開始しました。2013年からはネフローゼ症候群の好発年齢である5歳児にも尿検査と尿中塩分測定を実施したところ、3歳児、5歳児ともに8割以上の子どもが、国が定める「日本人の食事摂取基準2010」より多くの塩分を摂取していることがわかりました。
そのため3歳児や5歳児の保護者を対象にした減塩指導を行い、大人向けにも高血圧や脳血管疾患、腎機能の低下による人工透析の予防のために、保健師による個別訪問指導や2次検査の推進などのハイリスクアプローチなど、ライフサイクル別に減塩に向けた取り組みを実施していました。しかし、すぐにはデータが改善されず、課題解決にはつながりませんでした。
そこで、地域医療を担当している医師会の医師に協力を依頼し、2017年度に下呂市の医師会を中心として、「減塩推進委員会」を立ち上げました。2018年度には市長が「減塩によって元気で長生き」「子どもの頃から減塩を意識した食生活」という市政方針を打ち出し、官民一体となって減塩対策に取り組む基盤ができました。

減塩に向けた環境を整備。
減塩推進協力店を認定し、「下呂減塩週間」で減塩食品を広める!

下呂市役所 健康福祉部健康医療課 森本千恵さん

下呂市役所 健康福祉部健康医療課
森本千恵さん

2018年7月に下呂市内の小売店を調査したところ、減塩食品がほとんど販売されておらず、減塩食品を買える環境作りが必要でした。そのため、日本高血圧学会(JSH)が毎月17日を「減塩の日」としたことをもとに、2018年度から毎月17日を含む14~20日を「下呂市減塩週間」に定め、小売店や飲食店で減塩食品の販売を強化してもらうことにしました。
小売店で減塩食品を販売してもらうにあたり、JSHが認証した減塩食品を開発している食品メーカーに相談したところ、下呂市の減塩施策に賛同していただき、小売店に直接減塩食品の説明に行ってくれました。小売店の方々も「自分自身や市民の健康のためになるなら」と減塩推進協力店になってくださり、今では16店舗が減塩推進協力店となり、下呂市内の小売店で販売されている減塩食品の数が増えました。
また、9店舗の飲食店が減塩推進協力店になってくださいました。減塩推進協力店となる基準は、簡単なものにしました。例えば「減塩メニューがある」などとしてしまうとハードルが高いので、「減塩醤油を使っている」「テーブルに醤油や塩など塩分を含む調味料を置いていない」など1つでも減塩対策を実施していれば協力店として認定しています。その中でも現在1店舗が、市の管理栄養士の監修のもと、「スマートミール*1」に認証された減塩メニューを販売しています。今後は、市の管理栄養士がサポートをして、さらに2店舗で「スマートミール」の認証をめざしています。
*1 スマートミール:特定非営利活動法人日本栄養改善学会と日本給食経営管理学会が中心となり、健康な食環境整備をめざした「健康な食事・食環境」推進事業の一環として行っている「健康な食事・食環境」認証制度のこと。

企業・健保組合での活動事例