さあ、予防医療!
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全国の健康増進活動を発信「社会にひろげる予防医療!」

企業・健保組合での
活動事例

自治体での活動事例

全国の企業・健保組合でおこなわれている健康増進活動の取り組みを紹介しています。
ぜひとも、皆さまの企業・健保組合での活動の参考にしてください。記事は50音順(企業名)やキーワードでの検索が可能です。

  • メタボリックシンドローム
  • 生活習慣病
  • 喫煙対策

KDSグループ
(KDS熊本ドライビングスクール・KDS菊池自動車学校・黒髪カフェ&キッチン)

社員の健康づくりが企業の成長にもつながる!
~健康経営が生み出す企業発展の好循環~

KDS熊本ドライビングスクール

KDS熊本ドライビングスクール

「いのちをまもる」をテーマに掲げ、熊本県内で2つの自動車学校を経営するKDSグループ(以下KDS)は、社員を生活習慣病で失ったことを機に、社員の健康を重視し、「KDS健康経営プロジェクト」を始めました。健康診断の受診や禁煙を推進し、社員の意識を変えるため健康に関する勉強会を繰り返したことで、正しい知識を得た社員は、自らの行動を見直し、禁煙したり、食事に気を遣うなど自発的に健康づくりに取り組むようになりました。健康で元気な社員が働く会社こそ成長すると考え、大切な社員を生活習慣病から遠ざけるため、自らが積極的に動き、さまざまなアイデアを取り入れてきたKDS代表の永田佳子社長にお話を伺いしました。

症状がないから怖い生活習慣病…社員の健康は会社が支える!

KDSグループ代表の永田佳子社長

KDSグループ代表の永田佳子社長

KDS健康経営プロジェクトに着手したのは9年前です。きっかけは、KDSの社長に就任後、脳梗塞と肺がんで2人の社員を続けて亡くしたことでした。私自身がかつては専業主婦をしており、健康診断は受けるもの、持病があれば治療を行うものというイメージを抱いていましたが、自覚症状がないため生活習慣病を放置してしまうこともあると知りました。会社は、社員がいなければ、経営が成り立ちません。社員を生活習慣病に奪われるという悲劇をこれ以上繰り返さないよう、健康に目を向けるようになりました。

まず、健康診断を全社員に必ず受けてもらい、その後のデータ管理を大切にしています。特に要再検査はその後の報告まで就業規則に義務づけ、要治療等の社員には会社からの細やかなサポートが重要であると考え、衛生委員のメンバーからの声かけをしています。

次に取り組んだのが生活習慣病に関わる喫煙対策です。社長就任当時は喫煙者が多く、喫煙しない人が少数派でした。教習と教習の間のインターバルにも喫煙していましたが、その時間は就業時間であって休憩時間ではありません。まず、平成21年に喫煙時間を昼と夕方の休憩時間中だけに制限し、翌年からは喫煙場所を屋外に制限しました。次に、分煙機を備えた喫煙ルームを設けて喫煙を制限しました。しかし、喫煙者が同じ時間に集中して喫煙すると分煙機が十分な働きをせず、服や髪に臭いがつき、教習車内にまでたばこ臭がします。社員の呼気や衣服に含まれるたばこの成分で、お客様がサードハンドスモーキング(残留たばこ煙曝露)してしまう事態は避けたいということで、喫煙ルームはすぐにやめることになりました。

団体戦で禁煙に挑戦、敷地内全面禁煙へ

その後、産業医から「禁煙は団体戦で実施するとよい」というアドバイスがあり、平成27年に社員に通達を出し、敷地内を全面禁煙にしました。敷地内禁煙とすることで、社員から喫煙者の権利を主張されるのではないかと危惧していましたが、社会保険労務士に相談すると、喫煙の権利は必ずしも保障されるものではないという最高裁の判例があることを教わり、そのことも通達内に記載しました。

一方で、たばこがどのように有害であるのか、知識を学ぶ必要もあると考え、「一般社団法人 くまもと禁煙推進フォーラム」という団体に依頼して講師を派遣してもらい、社内勉強会も開催しました。健康に対する意識が高まり、禁煙外来を受診する人もあらわれていたので、敷地内禁煙を開始した年に「健康推進手当」を設け、喫煙しない社員に賞与時につけました。禁煙外来で費用がかかっても、禁煙すれば手当で相殺できます。健康推進手当は2年間支給し、喫煙者が減ったことから、3年目となる平成29年に廃止して、その代わりに禁煙外来に通って禁煙を達成した場合はかかった医療費を会社が負担し、さらに成功者には奨励金を支給することにしました。

カップめんばかりを30年摂り続けたら…? 社食を取り入れ食事改革

社食の光景

社食の光景

もうひとつ、力を入れて取り組んだのが食事です。社長になりたての頃、社員がどのような昼食を摂っているのかスタッフルームをのぞいたところ、弁当を持参している人はごくわずかで、カップめん、揚げ物や炭水化物のおにぎりを食べている社員が多いことに気がつきました。私自身が過去に長く専業主婦をしていたなかで、医食同源を肌で感じていましたから、このようなランチを毎日続けていたら生活習慣病にもなりやすいだろうなと思いました。そこで社食を導入することを決め、ほかの企業の経営者から業者さんを紹介してもらい、栄養とカロリーが計算された弁当を配達してもらうことにしました。

ご飯と味噌汁にバランスの良いおかずがついて一食440円ですが、利用しやすいように半額を会社が負担しています。220円では通常食べられないような内容になっているためか、現在は約8割の社員が利用しています。

社食で提供される野菜サラダ

社食で提供される野菜サラダ

またあるとき、社員が昼食時にコンビニで買った千切りキャベツを食べていました。食事の最初にサラダを食べる「ベジ・ファースト」を行うことで血糖値が上がりにくくなるらしいと、社員の間で流行しているとのことでした。そこで、サラダも会社から提供することにしました。サラダはKDSが新事業として経営しているカフェで野菜サラダを用意し、こちらも定価200円の半額を会社が負担しています。

運動も団体戦で! 休日に万歩大会を実施し歩く動機づけに

禁煙に成功した人が増えると、食事がおいしくて体重が増加してしまったので、痩せるためにまた喫煙しようという声も聞こえてきました。それでは本末転倒ですから、運動にも禁煙と同じく団体戦で取り組んでいます。熊本県では、厚生労働省の「スマート・ライフ・プロジェクト」と連動した「くまもとスマートライフプロジェクト」という健康増進を目指した取り組みが行われており、その一環としてスマートフォン用の歩数計アプリが用意されています。これに企業単位で登録し、社員各自がインストールしてお互いに歩数を競えるようにしました。

自動車の運転インストラクターという職に就くほどですから、運転が好きな社員が多く、休日も車移動になりがちです。そのため、歩くことを意識してもらわなければなりません。

教習中はスマートフォンを身につけられないため、仕事をしながら歩数を測ることができませんから、ゴールデンウィークなど休日が3日以上続くときに、アプリを使った社内万歩大会を開催しています。各自それぞれの休日を過ごしながらたくさん歩いてもらい、毎日歩いた歩数が平均一万歩以上の人を表彰・豪華景品のインセンティブを付けて奨励しています。

そのほか、6月25日の「無事故の日」に地域の人が参加できるイベントで、ジムに行かなくても家で筋トレができる10分間のエクササイズの講習会を開くなど、運動への意識づけを行っています。

健康経営プロジェクトがもたらした社員の変化は…?

自治体での活動事例