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全国の自治体でおこなわれている健康増進活動の取り組みを紹介しています。
ぜひとも、皆さまの自治体での活動の参考にしてください。記事は都道府県やキーワードでの検索が可能です。

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大分県

地元の企業や団体を巻き込んで健康づくりを推進!
~「健康寿命日本一」を目指す大分県の挑戦~

おうえん企業のユニークなアイデアが、県民の生活習慣改善を後押し!

県民と企業がwin-winになるというおうえん企業の取り組みに、企業に限らずNPOなどの各種団体にも賛同いただくことができ、2018年3月までに68の企業・団体に登録いただいています。
第一号のおうえん企業になった県内のある金融機関は、各市町村が実施する健診を受診すると通常より利率が0.2%上乗せされる「健康応援定期預金」を企画。健診・検診を受診した約4,500人が利用し、約90億円の預金が集まりました。

また、県内一円に店舗を展開するスーパーでは、消費者が減塩みそや減塩しょうゆなどの減塩商品を手に取りやすくなるように専用コーナーを設置したり、野菜摂取を呼びかけるプロモーションやスポーツ団体とのコラボレーションで健康教室を開催したりと、自社の強みを生かした健康生活の提案を行っています。


イベント開催時期を集中することで、「県民総ぐるみ」の機運を醸成

加えて、健康づくりの機運をより一層高めるために、毎年10月を「みんなで延ばそう健康寿命」推進月間と位置づけ、県内の自治体や創造会議の構成団体、おうえん企業による健康づくりイベントをこの時期に集中して開催し、健康寿命延伸の普及啓発を強化しました。
その一環として、平成29年9月23日に開催された「健康寿命日本一おおいた推進フォーラム(以下、フォーラム)」には、約2,400人の方が来場されました。
フォーラム以外にも、10月の推進月間を挟む3ヶ月間でウォーキング大会やうま塩教室、スポーツフェスタ、健康に関する講演会などイベント開催数は521回、参加者数は約13万人と、かつてないほどの盛り上がりをみせ、多くの県民の皆さんに健康づくりを意識していただくきっかけになったのではないかと感じています。


おうえん企業の取り組みは、県庁のホームページで公開しているほか、年2回開催される創造会議でも報告していただいています。創造会議には県知事をはじめ、県下の経済団体や報道機関など各分野のトップが顔をそろえていますから、企業にとっては自社の取り組みをアピールできるチャンスです。当然プレゼンテーションにも力が入ります。報告を聞いた別の企業が「うちも負けていられない」と刺激を受け、新しい取り組みの企画へとつながっていくこともあれば、報告をきっかけに、創造会議の構成団体とおうえん企業、あるいはおうえん企業同士のコラボレーションが生まれることもあります。
これまで接点のなかった企業同士のマッチングの場になることを意識して創造会議を立ち上げたのですが、狙い通りに、異業種の企業、組織、団体を結びつけるプラットフォームを構築できたことはよかったと思っています。


最新の調査では健康寿命の順位が低下。しかし取り組みの広がりには手ごたえあり!

平成30年3月に健康寿命の最新の調査結果が公表されましたが、大分県は男性が71.54歳で36位、女性が75.38歳で12位と、平成25年の男性16位、女性10位から共に全国順位を下げてしまいました。残念な結果だったのですが、このデータは平成28年に行われた調査の結果であり、平成28年6月の創造会議立ち上げから県で実施してきた取り組みの成果を、この調査の結果で評価することはできないと考えています。
各都道府県の健康寿命に関する調査は、厚生労働省が3年に1度実施しているもので、本事業への評価は、次に結果が出る2021年まで待たなければなりません。しかし、平成29年度の「みんなで延ばそう健康寿命」推進月間に関連する健康づくりイベントでは、参加者数、イベント開催数ともに前年度を大きく上回っており、健康寿命延伸に向けた取り組みが軌道に乗ってきたという手ごたえを感じています。

また本事業に先駆け、平成26年度からは全国健康保険協会大分支部(協会けんぽ)と協力し、「健康経営」の推進にも取り組んできました。その一環として、県保健師による企業訪問を実施し、従業員の健康管理に関する悩みをヒアリングし具体的なアドバイスを行っています。保健師の企業訪問は全国でもあまり例がないのですが、年間延べ695社(平成28年度)と多くの企業を訪問し、特定健康診査受診率の向上やメタボリックシンドローム該当者の減少につながりました。「健康寿命日本一」の旗印のもと、保健師さんがよくがんばってくれた成果だと思います。


平成30年4月からは、日常のウォーキングや健診などによって健康ポイントが付与され、ポイントが貯まると大分県内の協力店舗にて特典が受けられる健康アプリ「おおいた歩得(あるとっく)」の本格運用がスタートします。これからも、県民が無理せず楽しみながら生活習慣の改善につなげられる環境づくりを進め、2024年までに健康寿命日本一を実現するという目標に向かってがんばっていきたいと思っています。


大分県はこんなところ!


九州の北東部に位置する大分県は、温暖な気候と海や山など豊かな自然資源に恵まれているよ。中でも有名なのは、県内全域に広がる温泉。日本一の湧出量と源泉数を誇り、地球上にある10種類の泉質のうち8種類があるんだって。関あじや関さば、豊後牛などの高級食材をはじめ、カボスやしいたけなど大分ならではのグルメも楽しめるよ! 宇佐神宮や六郷満山、国宝臼杵石仏をはじめとした磨崖仏などの貴重な歴史的文化遺産もたくさんあって、温泉以外にもさまざまな魅力にあふれているんだ。



温泉

源泉数は4,342個、湧出量は毎分約279キロリットル。大分県はまさに日本一のおんせん県! 別府湾に面する別府温泉や県中央部に位置する湯布院温泉は特に有名だよね。地熱発電でも日本一を誇っていて、豊かな温泉の恵みは、栽培、養殖といった産業や食文化、美容、医療など、地元の人の生活に幅広く生かされているんだ。平成30年5月には、別府市で世界初となる温泉の世界サミット「おんせん県おおいた♨世界温泉地サミット」が開催されるよ。


カボス・しいたけ

自然豊かな大分県には特産物もいっぱい! おもに臼杵市と竹田市で生産されているカボスはさわやかな香りとまろやかな酸味が特徴。豊かな風味でさまざまな食材の味を引き立てるよ。また、しいたけの栽培も盛んで、特に大分県の乾しいたけは国内生産量の4割以上を占めてるよ。全国乾椎茸品評会では何度も優勝しているほどの品質なんだって。