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企業・健保組合での 活動事例

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全国の企業・健保組合でおこなわれている健康増進活動の取り組みを紹介しています。
ぜひとも、皆さまの企業・健保組合での活動の参考にしてください。記事は50音順(企業名)やキーワードでの検索が可能です。

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KDSグループ (KDS熊本ドライビングスクール・KDS菊池自動車学校・黒髪カフェ&キッチン)

社員の健康づくりが企業の成長にもつながる!
~健康経営が生み出す企業発展の好循環~

血圧や腹囲の数値が改善! 社員の健康意識がアップ

社員の健康診断結果については、データをまとめて推移を確認しています。血圧が130mmHg以上と高かった人の65%は、多少ですが数値が下がりました。腹囲80cm以上の人も、68%がサイズをダウンさせています。BMI25以上だった人の67%も数値を減らしました。本格的に健康経営プロジェクトの成果が数字としてあらわれるのはまだ先のことにはなりますが、変化の兆しが見えていると強く実感しています。


禁煙に関しては、プロジェクトを開始した平成21年には喫煙率81%だったのに対し、敷地内全面禁煙を始めた平成27年には52%まで下がり、平成30年現在は8%まで下がりました。今でもわずかに喫煙している社員はいますが、喫煙者を排除するようなことはしませんし、新たに採用する際も非喫煙の人にこだわってはいません。KDSから喫煙者を追い出すのではなく、あくまでも社員自らによる自発的な健康への意識改革を推進していきたいと思っています。


禁煙に関して効果的だったのは、専門家を招いてたばこの害についての勉強会を行ったことだと思います。たばこというと、肺の重い病気になるイメージですが、水虫など一見無関係にみえる疾病もたばこが関与していると知ったことが、禁煙への動機づけになったようです。受動喫煙や副流煙の害についての勉強会のあと、「うちの子どもが小児喘息なのは自分のたばこの煙の影響だったかもしれない」と、その日に禁煙した社員もいました。また、禁煙外来に行った人から情報を聞いたり、ほかの人が禁煙できているなら自分にもできるかもしれないとの競争心などから相乗効果が生まれ禁煙を始めるなど、団体で取り組んだからこそのメリットもありました。

社員に対し、健康に関して意識の変化があったかアンケート調査を行ったところ、全員が「あり」という回答でした。意識が変わったことで体重が減った、血糖値が下がったなど、体の変化があるだけでなく、社員が禁煙したことからその家族全員が禁煙した、たばこ臭いと10代のお嬢さんから敬遠されていた社員が禁煙後は2人で出かけるようになったなど、副産物があることも耳にしています。


社員の次は、お客さまにも禁煙推進!受動喫煙防止を自動車学校の特色のひとつに!!

平成30年からは、社員の被扶養者の健康診断にも力を入れています。40歳以上で特定健診の対象になる被扶養者には受診をお願いするお手紙を社長名で出し、費用も会社が全額負担しています。乳がん、胃がんなどのがん検診も会社負担の対象としました。配偶者や家族の支えがあってこそ社員が仕事に打ち込める姿があると思います。被扶養者の健康維持にも貢献したいと思っています。

また平成29年12月から、受動喫煙防止プロジェクトに着手しました。たばこの害について十二分に理解したので、社員だけではなく、お客様にも敷地内では禁煙していただき、受動喫煙による健康被害を防ぐことを目的とするものです。

これは、ある場で禁煙の対象をお客様に広げない理由を問われたことがきっかけです。少子高齢化が進んでおり、自ずと自動車学校の顧客は減少していきます。禁煙にすることでお客様が減れば、経営面ではダメージがあります。しかし、禁煙が学校の特色のひとつになるという意見もいただき、思い切ってスタートさせました。


入校や高齢者講習の予約の際は禁煙について説明し、了承を得るようにしています。二輪車の教習は年齢が高い方が受講する場合も多いので、きちんと受動喫煙防止の意義について説明できるよう、社員も改めて勉強し、協力をお願いしました。たばこがないと口寂しい場合もあるかと思い、受付には無料で飴や水を用意しました。
卒業生に対するアンケート調査では、「煙のないところで受講できてよかった」など、約9割の人に好評を博しました。高校生も通われていますので、高校の先生方や親御さんにとっても安心だったのではないかと思います。

健康づくりにかかったコストは先行投資。健康経営は社員にも、そして会社にも大きなメリットをもたらす

定期的に実施している健康についての勉強会の中で、健康に直接関わるテーマではなかったにもかかわらずインパクトがあったのは、社会保険労務士を招いて行った60歳以降のライフワーク設計についての勉強会でした。日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すれば、年金の見込み額を確認することができますが、勉強会では、社員それぞれがタブレットで自分の65歳からの年金見込み額を確認しました。年金生活になると、たいていは現在より収入が下がり、年金だけで現役時代と同じように暮らすのは難しくなります。会社としては、さまざまな資格を持つベテランのインストラクターは財産ですから、生涯現役で働いていてほしいと常々伝えています。年金額を知り、退職後の生活を具体的に考えたことで、特に50代以降の社員は、健康に気をつけ少しでも長く仕事を続けようという考え方が芽生えたようです。その勉強会をきっかけに禁煙を始めた人もいます。

社食の半額負担などでコストはかかりましたが、それで社員が健康になるのであれば、会社にとって必要な先行投資だと考えました。また、加入している協会けんぽに相談して健康づくりのアイデアをいただくなど、コストのかからない方法も取り入れました。例えば、喫煙していると歯周病にもなりやすいことから、歯周病を調べる試薬を使用し、口の中の健康をチェックし歯科衛生士にアドバイスをもらう「生活歯援プログラム」を、協会けんぽからの紹介で無料(当時)実施しています。


熊本県内の自動車学校普通車入校者数の推移を見ると、緩やかに減少を続けており、平成19年から比較すると平成28年はマイナス11%となりました。そのなかで、KDSは平成26年から売り上げが上昇しており、平成29年は16%アップとなりました。アメリカの研究では、健康リスクが増えるほど労働生産性の損失割合は上昇することがわかっています。社員が健康であれば、生産性は上がり、企業の収益や社員の報酬も増加につながってくるのではないでしょうか。それが社員の仕事のやりがいとなり、さらに社員が健康寿命を延ばし定年後も働き続ければ、マンパワーが充実するため会社としても次の一手を打つことが可能になります。健康経営プロジェクトは、社員にも会社にも、さらには増大する日本の社会医療費削減の観点から社会にもメリットがあると思います。ぜひ、経営者の皆さんにも考えていただき、できることから取り組んでもらいたいなと思います。

KDSはこんな会社!

KDSグループは、「いのちをまもる自動車学校」という理念で運転を教えるだけでなく、市内にある熊本大学の黒髪北区のキャンパスの近くに、健康経営のラボとして「黒髪カフェ&キッチン」というお店を開いているよ。ここでは、厳選した地元の食材を使い、健康に気を配った地産地消の料理を出していて、大学生にも人気なんだ。KDSの社食で社員の皆さんが食べているサラダは、この店で用意されているんだよ。


KDSグループ

設立 : 昭和38年11月
従業員数 : 100名(グループ合計/平成30年3月現在)

・株式会社KDS熊本ドライビングスクール
(http://k-ds.net/)
〒861-8003 熊本県熊本市北区楠6-6-25

・ 株式会社KDS菊池自動車学校
(http://kikuchi-ds.com/)
〒861-1315 熊本県菊池市木柑子1427

・ 黒髪カフェ&キッチン
(http://kurokami-cafe-kitchen.business.site/)