さあ、予防医療!
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全国の健康増進活動を発信「社会にひろげる予防医療!」

自治体での活動事例

企業・健保組合での活動事例

全国の自治体でおこなわれている健康増進活動の取り組みを紹介しています。
ぜひとも、皆さまの自治体での活動の参考にしてください。記事は都道府県やキーワードでの検索が可能です。

  • 喫煙対策

岐阜県多治見市

吸わない環境を当たり前に!全世代の市民を対象にした「受動喫煙のないまちづくり」事業

市役所窓口、子育て支援窓口と保健センターを集約した多治見市北庁舎

市役所窓口、子育て支援窓口と保健センターを集約した多治見市北庁舎

岐阜県多治見市では、平成14年度からスタートした市の健康づくり計画「たじみ健康ハッピープラン」のなかで、食事、運動と共に「喫煙対策」を優先課題とし、禁煙と受動喫煙防止の推進に取り組んでいます。公共施設敷地内や駅周辺を禁煙にして受動喫煙させない環境を整備し、喫煙者に対する禁煙支援を行うと共に、未成年に対しても防煙教育を行った結果、各年代層で喫煙率が減少しました。第2次健康づくり計画では、関係団体や地域企業も喫煙対策の行動計画を策定し、地域ぐるみで継続的に取り組んでいます。健康づくり計画の策定や喫煙対策の推進に携わってきた多治見市保健センターの御前芙朱さんにお話をお聞きしました。

ライフステージ別に目標を策定、県内初の公共施設敷地内禁煙で受動喫煙を防ぐ

多治見市保健センターの御前芙朱さん

多治見市保健センターの御前芙朱さん

多治見市では、平成13年度に「たじみ健康ハッピープラン」を策定するにあたり、死亡原因としてがんや心疾患、脳血管疾患が大きな割合を占めること、また、がんのなかでも肺がんが上昇傾向にあったことから、「病気の原因のなかで予防可能な最大の原因の一つ」である喫煙対策に乗り出すことになりました。今でこそ、厚生労働省の「禁煙マニュアル」もあり、禁煙治療も保険適応され、さまざまな禁煙支援がありますが、当時は現在ほど禁煙を推進する環境ではありませんでした。多治見市でもそれまでの健康づくり事業で喫煙対策への取り組みを行っていませんでしたが、健康づくり計画策定会議委員である岐阜大学医学部の勧めもあり、喫煙対策に着手することにしました。

まずライフステージ別の目標を設定し、乳幼児期(0~5歳)は「受動喫煙を受けない」、学童期(6~12歳)は「たばこの害を知る・受動喫煙を受けない」、思春期(13~19歳)は「たばこを吸わない・受動喫煙を受けない」、青年期以降は「禁煙する・受動喫煙を受けない」としました。
喫煙対策は、「環境整備」「禁煙支援・治療(人への支援)」「未成年者の喫煙対策」「周知・啓発」の4本柱で行いました。
環境整備については、はじめに公共施設の館内を禁煙としました。その後、保育園や幼稚園と小中学校の敷地内を禁煙とし、JR多治見駅周辺の南北広場を路上禁煙地区に指定して禁煙区域を増やし、平成22年度には、県内初となる全公共施設敷地内禁煙を実現しました。
公共施設を禁煙にする場合、施設内で働く職員も勤務中は禁煙することになりますから、館内禁煙に先立ち、市役所や関係機関の職員を対象に研修会を行い、対策への理解を得るよう努めました。

子どもも安心!受動喫煙を防ぐ環境づくりとして「空気のおいしい店」事業を開始

「空気のおいしい店」に認定された店舗に贈られる陶板

「空気のおいしい店」に認定された店舗に贈られる陶板

市が関与できる公共施設など以外でも、受動喫煙を防ぐ環境づくりを市民の手によって進めていただくために、「喫煙対策優良事業所認定」事業と「空気のおいしい店」事業を始めました。これは、建物内や店内、あるいは敷地内を禁煙にしている飲食店や事業所からの応募を受け、市の保健師が訪問して調査し、事業所と飲食店を認定して表彰状を贈るものです。
「空気のおいしい店」は、現在50店舗ほど認定されています。市では店舗一覧を掲載したチラシを作成しており、市のボランティアである健康づくり推進員が新しく認定された飲食店を実際に訪問して短い紹介文を作成し、店の特徴や雰囲気をお伝えしています。全国展開しているチェーン店でも多治見市内の店舗は全席禁煙にし、「空気のおいしい店」事業に協力いただいている飲食店もあり、「安心して食事ができる」と特にファミリー層に好評です。
「空気のおいしい店」事業の推進では、飲食店の食品衛生責任者や食品衛生管理者が年に1回受講する食品衛生実務講習会に市職員が出向き、事業に関するチラシを配布したり、時には時間をいただいて説明の機会を持って、周知を図りました。飲食店側には客足が遠のく不安があることも考慮し、禁煙化によって客数や売り上げへの変化はなかったとする愛知県で行われた調査結果についても紹介しました。健康づくり推進員が禁煙の飲食店を見かけたときに、その場で認定制度について説明するなど、本事業は市民の地道な活動に支えられています。

母子保健事業と絡め、妊娠中から子育て期まで繰り返しアプローチ

人への支援では、さまざまな場を利用して幅広い年代層にアプローチしています。
まず、妊婦さんの喫煙は早産や低体重などのリスクが高まることから、母子健康手帳の交付時に取るマタニティ・アンケートで喫煙の有無を尋ねます。それまで喫煙していても多くの方が妊娠を機に禁煙しますが、喫煙をやめられない方には個別支援を行い、気持ちに耳を傾け、一人ひとりに合わせた声かけをしていきます。
配偶者が喫煙者であれば受動喫煙を受ける可能性もあるので、夫婦で参加するママパパスクールで、喫煙している男性には無料で呼気一酸化炭素検査を受けていただき、自分の喫煙レベルがどの程度であるのか確認していただいています。
妊婦さんやお子さんに対する支援は継続的に行い、出産後の保健師の自宅訪問時や、生後4カ月、10カ月、1歳半、2歳3ヵ月、3歳の健診時に家族の喫煙状況を確認し、禁煙に関するチラシを配布しています。特に自宅訪問はご自宅の様子も確認できますし、じっくり話を聞き、アドバイスするよい機会となっています。

禁煙に挑戦したい人に対する支援としては、年1回、2カ月間通信制で禁煙支援講座「禁煙チャレンジ」を行っています。禁煙へのモチベーションを高めるために、スタート時には参加者が一堂に会する「スタート式」を開催、禁煙治療を行っている医師に禁煙のコツなどを聞いたり、グループワークでどのように禁煙に取り組むかを話し合ったりしてもらっています。チャレンジスタート後は、参加者が定期的に提出するレポートで状況を確認し、保健師がメールや手紙で心境を尋ねたり励ましたりしています。
禁煙チャレンジの参加者を募集する時期には、医療機関にポスターを掲示してもらい、喫煙している患者さんには先生方からも「参加して挑戦してみたら?」とひと声かけていただくようお願いしています。禁煙の成功率は年によって大きく違いますが、成功できる人が増えるように、誘惑が多い年末年始を避けてチャレンジ期間を設定しています。

大人より喫煙の悪影響が大きい未成年。成長期の子どもにはどんなアプローチを...?

企業・健保組合での活動事例