さあ、予防医療!
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全国の健康増進活動を発信「社会にひろげる予防医療!」

自治体での活動事例

企業・健保組合での活動事例

全国の自治体でおこなわれている健康増進活動の取り組みを紹介しています。
ぜひとも、皆さまの自治体での活動の参考にしてください。記事は都道府県やキーワードでの検索が可能です。

北海道美唄市

たばこの害から市民を守れ!
公共施設内での分煙を認めない市町村レベル初の「受動喫煙防止条例」を実現した、美唄市の取り組み

条例制定を優先し、罰則を設けずサービス産業は適用除外に

美唄市受動喫煙防止条例は全12条で構成されています。罰則規定がなく、飲食店や風俗営業などを適用除外としたことで、効力を疑問視する声もあります。しかし、飲食店などサービス産業の方からの「店内禁煙にすると売り上げに影響が出るのではないか」という心配が根強く、条例制定を優先させるためには現実的な対応だったと考えています。平成28年に発表された厚生労働省の「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」でも、「罰則規定がなく、飲食店や風俗営業等が除外されているものの、公共的な施設に分煙を認めない敷地内禁煙又は施設内禁煙とする条例を初めて市町村レベルで施行させたこと、屋外についても通学路(登下校時に校門から100m以内の路上と公園)での喫煙禁止を努力義務とした意義は大きい」と評価していただきました。

環境整備や周知啓発のほか、未成年者への喫煙防止教育にも注力!

市内各施設や店舗、事業所に掲示するステッカーを作成

市内各施設や店舗、事業所に掲示するステッカーを作成

平成29年度には市内の小中学校の校門付近15ヵ所に啓発看板を設置(提供:美唄市)

平成29年度には市内の小中学校の校門付近15箇所に啓発看板を設置(提供:美唄市)

受動喫煙防止条例の施行から2年間、さまざまな取り組みを実施してきました。まずは環境整備として、ステッカー、パンフレット、ポスターを作成し、公共施設や商店などに配布。小・中・養護学校の校門約100メートル付近には受動喫煙防止を呼びかける看板を、庁舎には受動喫煙防止を呼びかける懸垂幕を設置しました。懸垂幕は市の三師会(医師会、歯科医師会、薬剤師会)から寄贈していただいたものです。さらに、条例の対象となる公共施設や商店などの店舗、金融機関など160箇所を訪問し、周知依頼と対策の相談をさせていただきました。周知啓発では、医師会との共催での講演会や、保健師・小児科医師を講師に出前健康講座を開催したほか、成人式で肺年齢チェックと受動喫煙アンケートを実施するなど、イベントでの啓発も行っています。

加えて、未成年者への喫煙防止教育にも力を入れています。平成27年度と平成28年度には学童保育利用児童を対象に、美唄市医師会と国立がん研究センター、日本対がん協会の協力・監修のもと「タバコフリー・キッズ@びばい」(平成29年度は小学校児童も参加)を開催したほか、医師や保健師が希望する小・中学校に出向き、たばこの有害性や周囲への影響についてわかりやすく講義しています(平成29年度は5校の小中学校で実施)。子どもたちが喫煙や受動喫煙に関して正しい知識を持ち、将来「たばこを吸わない」という選択をしてくれることで、そう遠くない未来に「たばこフリーなまち・美唄」が実現するのではないかと期待しています。また、保護者参観日に喫煙防止教育を保健師が実施した小学校では、子どもたちだけでなく参観した保護者の理解も深まり、学校行事時の全面禁煙が実現しました。今後も、市内の全小中学校で実施できるよう教育委員会に働きかけるなど、喫煙防止教育が当たり前にできる環境づくりを進めていきたいと考えています。

条例施行から2年、受動喫煙防止対策を行う施設や事業所が増加!

受動喫煙防止対策を評価するため、条例制定前の平成27年から市民・事業所への意識調査を年1回実施しており、少なくとも5年間継続する予定です。平成29年度の調査結果を見ると、受動喫煙の認知度は市民意識調査では92.8%(前年91.2%)、事業所意識調査では98.8%(前年96.7%)と前年より高くなっています。さらに受動喫煙防止に取り組んでいる事業所の割合が71.1%(前年61%、前々年48%)と上昇し、市民・事業所ともに理解と対策が進んできたと判断しています。

また、受動喫煙防止対策を実施している公共的施設(第1種)の割合も、条例制定前(平成27年度)の73.0%から条例施行後(平成28年度)は82.2%に増加したほか、条例適用除外の飲食店でも自主的に時間分煙や施設内禁煙・分煙の対策を講じるなど、非喫煙者への配慮が進んでいます。市民の方からも「吸わない人に配慮してくれるお店があった」、「たばこのポイ捨てが少なくなった」、「歩きたばこをする人が減った」といった声が寄せられることが多くなり、条例制定の効果を実感しています。

ただ残念なことに、平成29年度の市民意識調査では「習慣的にたばこを吸っている」と回答した人が、前年度よりわずかですが増加しました。その一方で、公共の場で受動喫煙防止対策が進められることについては、賛成・どちらかといえば賛成の合計ポイントが前年度と比べて約2ポイント増え、受動喫煙を受けないようにしている市民の割合も高くなっていることから(平成25年の21.9%から平成29年の25.6%へ増加)、喫煙者の受動喫煙防止対策への理解は進んできていると考えています。

今後は脳心血管疾患患者数の調査を実施し、条例制定の効果を検証

その他、市内全域の一般施設も対象とした市町村レベルで初の条例化を実現したことで当市の受動喫煙防止対策に関心が集まり、他の自治体からの行政視察や講演依頼が増えるといった変化がみられました。また、趣旨に賛同してくださった方からのふるさと納税など思わぬ効果もあり、大変ありがたく思っています。

その一方で、課題もあります。特に喫煙率については、特定健診受診者の喫煙率が年々増加していること、妊婦や母親の喫煙率は低下してきているものの、妊婦の夫や乳児の父親の喫煙率が高いこと、出産後の再喫煙の現状などから、事業所内や家庭内での受動喫煙の影響が心配されます。喫煙が健康と子どもに与える影響について今後も周知を継続するとともに、禁煙方法のひとつである医療機関での禁煙治療についても、積極的な情報提供や治療を受けやすくする支援が必要だと感じています。

条例の制定はゴールではなく、その後の取り組みが大切です。今後は受動喫煙防止条例制定の効果検証の新たな指標として、近隣の医療機関の協力を得て平成26年度からの5年間、脳心血管疾患の入院患者数を調査しています。受動喫煙の減少により、脳心血管疾患の患者数も低下したという報告ができるよう、喫煙・受動喫煙防止対策をより一層、力強く進めていきたいですね。

美唄市はこんなところ

北海道のほぼ中央部に位置する美唄市は、人口約2万2000人の自然豊かなところだよ(平成30年5月現在)。「びばい」という地名はアイヌ語の「ピパ・オ・イ」(沼貝の・たくさん・いるところ)に由来しているんだって。市の東側は夕張山地につづく丘陵・山岳地で、かつては豊富な石炭を産出する炭鉱地として栄えていたんだ。今は道内有数の穀物地帯として、お米やアスパラ、ハスカップなどを生産しているよ。国道・高速道路・JRが縦貫する交通の要所で、札幌までは特急電車で約35分、旭川までは車で約50分(道央自動車経由)と都会へのアクセスも良好だよ!

  • 安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄 閉山になった炭鉱の学校跡地に作られた、野外彫刻公園。美唄市出身で世界的な彫刻家・安田侃氏の作品が常設展示されているよ。「アルテ ピアッツァ」とはイタリア語で「芸術広場」という意味。館内のアートスペースやギャラリーでは年間を通してコンサートや舞踊、講演会などを開催しているんだって。
  • ラムサール条約登録湿地 宮島沼ラムサール条約登録湿地 宮島沼 美唄の西部に位置する面積約25ヘクタール、水深最大1.0メートルの浅くて小さな宮島沼。マガンやコハクチョウ、カモなどの渡り鳥がたくさん集まることから、平成14年にラムサール条約の国際保護湿地に登録された、とても貴重な場所なんだ。秋と春には約5万羽のマガンがやってくるんだって。美唄市公式キャラクターの「マミィーちゃん」は、マガンがモデルなんだよ。
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