さあ、予防医療!
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全国の健康増進活動を発信「社会にひろげる予防医療!」

企業・健保組合での
活動事例

自治体での活動事例

全国の企業・健保組合でおこなわれている健康増進活動の取り組みを紹介しています。
ぜひとも、皆さまの企業・健保組合での活動の参考にしてください。記事は50音順(企業名)やキーワードでの検索が可能です。

  • メタボリックシンドローム
  • 生活習慣病
  • 喫煙対策

株式会社ハンナ

社員の健康が会社の力に!
社員が活き活きと働ける環境を整え、
離職率低下を実現

KDS熊本ドライビングスクール

2020年に設立40周年を迎える、株式会社ハンナ(提供:ハンナ)

株式会社ハンナは、奈良を中心とした近畿圏で酒・食料品などの日配品を中心に配送する一般貨物運送事業者です。近年の規制緩和による競争激化や荷主のニーズの多様化、深刻なドライバー不足など、さまざまな課題を抱える運送業界ですが、同社では「今後の企業発展のためには人材の確保が最重要課題」と考え、2017年度から健康経営に取り組んできました。その成果は喫煙者やメタボリックシンドローム対象者の減少といった健康面だけでなく、離職率の低下や入社希望者の増加など雇用の安定にも表れています。代表取締役・下村由加里さんと、社員の健康管理を担当する管理統括部次長の長谷川佐恵さんにお話を伺いました。

同業他社との差別化を打ち出す! そのキーワードは「社員の健康」!!

株式会社ハンナ 代表取締役 下村由加里さん

株式会社ハンナ 代表取締役 下村由加里さん

当社では「企業の発展を軸として、お互いの物心両面の幸せを追求する」ことを経営理念の最優先事項に掲げています。物心両面の幸せを追求するためには何が必要なのか――こう考えたときに浮かんできたのが「健康」というキーワードでした。

トラック輸送業界は、近年の規制緩和により事業者が急増し、競争が激化しています。規模や資本力の面では大手運送事業者に太刀打ちできない中、中小企業である当社が生き残っていくためには、他社との差別化を打ち出す戦略が必要です。差別化戦略を実行する上で、当社が重視したのは「労働力」です。労働力を確保する、つまり雇用を定着させるには、社員がやりがいを持ち、活き活きと働き続けられることが大切であり、そのためには、まずは社員が健康でなければならないと考えました。

当社は24時間365日体制で輸送・配送業務を行っており、働き方も不規則になりがちです。特に夜間勤務者は睡眠時間の確保が困難、食生活が乱れやすいなど体調管理の難しい面があります。社員が健康な状態で勤務することが「無事故・無違反・無災害」の3M達成につながり、ひいては会社の発展につながるという判断から、2017年、健康経営の取り組みをスタートしました。

まずはできることから! 協会けんぽの「健康チャレンジ」にエントリー

最初に取り組んだのが、全国健康保険協会(協会けんぽ)奈良支部が展開している「職場まるごと健康チャレンジ(以下、健康チャレンジ)」への参加です。これは協会けんぽ奈良支部が作成した80種類の「健康づくりメニュー」の中から1つ以上を自由に選んで3ヵ月間継続して取り組み、生活習慣の改善につなげるというものです。職場全体で取り組む「職場編」と、社員が個人で取り組む「個人編」の2つに分かれており、例えば個人編なら「野菜を先に食べる」、「カロリー表示を見て買う」、職場編は「できるだけ階段を使うよう促す」など、簡単な内容ばかり。これなら気軽に始められるだろうと思い、すぐにエントリーを決めました。

各社員の健康メニューを掲示し、皆で共有したことで社員同士のコミュニケーションが活発に。管理統括部次長 長谷川佐恵さん(提供:ハンナ)

各社員の健康メニューを掲示し、皆で共有したことで社員同士のコミュニケーションが活発に。管理統括部次長 長谷川佐恵さん(提供:ハンナ)

とはいえ、健康に対する意識の高さは人それぞれですから、初めから社員全員が参加してくれるとは思っていませんでした。実際に、社員の健康管理業務を担当する長谷川が本プロジェクトのキックオフを宣言したときは、反応が鈍かったですね。「健康は個人的な問題。会社からあれこれ言われたくない」というのが、多くの社員の本音だったかもしれません。まずは参加するだけでも良いと社員に声をかけ、それぞれが選んだ健康メニューを社内の目立つ場所に貼り出して、チャレンジを開始しました。

当社の総務や日々の点呼を行う運行管理者には女性が多く、彼女たちからの声かけなど、社内で会話が広がりワイワイと楽しそうに取り組んでいる様子に、最初は無関心だったドライバーたちも興味を持ったようです。しぶしぶエントリーした社員もいつの間にか熱心に取り組むことになりました。

健康チャレンジの最大のメリットは、個人が選んだ健康メニューを社員同士で共有したことで、健康づくりを話題にしたコミュニケーションが活発になったことです。例えば「缶コーヒーをお茶に変える」というメニューを選んだ社員がお茶を飲んでいると、他の社員が「あ、お茶にしたんだね、頑張っているね!」と声をかける様子も見られました。また、以前から乗務前の点呼で健康状態のチェックは行っていましたが、健康チャレンジをきっかけに、「食事はちゃんと食べている?」「昨日はよく眠れた?」などの一歩踏み込んだやり取りができるようになり、健康に対する意識が向上していったように思います。

禁煙セミナーと定期健診後の保健指導で、禁煙・脱メタボ達成者が続出!

禁煙セミナーの様子(提供:ハンナ)

禁煙セミナーの様子(提供:ハンナ)

続いて取り組んだのが、禁煙の推進です。当時はドライバーのほぼ全員が喫煙者であり、喫煙率の高さが気になっていました。しかし、たばこを吸うことが気分のリフレッシュや眠気覚ましになり、安全運転につながるという人もおり、個人の嗜好の問題でもあることから、会社として強く禁煙を打ち出すことは控えていました。

ところが、2017年5月の社内安全大会で外部講師を招いて「禁煙セミナー」を開催し、喫煙による健康被害や受動喫煙の怖さなどを解説していただいたところ、喫煙者が一気に減少したのです。タバコをやめることはないと豪語していた部長から禁煙宣言が飛び出すなど、管理職が率先して禁煙に取り組んだこともあり、2017年3月時点で77人だった喫煙者は、2018年11月現在で54名となり、23名が禁煙に成功しました。

保健指導の様子(提供:ハンナ)

保健指導の様子(提供:ハンナ)

さらに、協会けんぽの保健師による保健指導も実施しました。これまでも定期健康診断受診率は100%でしたが、会社として健診後のフォローは積極的に行っていませんでした。そこで、健診結果に要経過観察の項目がある社員には、長谷川をはじめとした総務の担当者、安全衛生委員たちと本人の間で状況確認を行い、保健師による指導を受けるよう促していきました。

「時間がない」「保健指導を受けるよりも休みたい」などと言っていた社員にも、担当者が「健康でなければいい仕事はできないよ」と根気強く声をかけ続けることで保健指導につなげていきました。会社として強制的に受けさせることもできたと思いますが、あくまでも同じ会社で働く仲間として、「あなたの健康状態が心配だから、指導を受けたほうがいいよ」という寄り添う姿勢で接したことで、「自分のために親身になってくれている」と心を動かされた社員も多かったのではないでしょうか。また保健指導では、保健師さんが一人ひとりの状況に合った適切なアドバイスをしてくださったことで、健康課題を「自分ごと」として捉えて生活習慣の改善に取り組めるようになったと思います。その結果、2016年4月には87名だったメタボリックシンドローム対象者は、2018年7月時点で54名にまで減少しました。

また、飲料メーカーと提携して「ハンナウォーキング」というイベントを実施。ウォーキングのスマホアプリをダウンロードして歩数をカウントし、1ヵ月間の歩数を競う内容です。期間中に目標歩数を達成すると、メーカーから非売品のジャンパーなど、レアな景品がプレゼントされるとあって、部署や職種をこえてかなり盛り上がりました。メタボリックシンドロームの傾向がある社員が運動を始めるきっかけにもなり、こういったクラブ活動のような雰囲気で楽しく取り組めるイベントを、今後も企画していければと考えています。

禁煙や脱メタボ成功者が増加!
さらに健康づくりを進める中で経営面でもメリットが…?

自治体での活動事例